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赤い恋 ~sho sakurai~

第44章 再開



そこには変装した翔ちゃんとにのの姿。


和「…久しぶり…ですね」

結「あ…、あ…、の…」


どうしよう…。

2人の顔…。


見れない…。

怖い。

何が?って聞かれると上手く言えないけど目を…、会わせることが出来ない。


翔「…結衣」

翔ちゃんが私の名前を呼んだ。


結「…ごめん…なさい…」


下を向いて小さく小さく呟いた。

和「…それは、どういう意味の…?」


にのは佐織の隣に座って私に問う。

続いて翔ちゃんもその隣に座った。


結「……全部、だよ。こんなことになったの全部…」

翔ちゃんにも迷惑をかけて。

翔「…俺さ、気にくわないんだけど」

翔ちゃんは低い小さな声でそう言った。

結「……え?」

私はやっと顔を上げて翔ちゃんを見た。

翔ちゃんはまっすぐな視線を私に向けていて、少したじろぐ。

翔「……なんで?なんで勝手に出てくの?何勝手に自分だけ責任感じてんの?何勝手に……」

翔「……俺から離れてくの?」





翔ちゃんは寂しそうな顔でそう言った。


結「……え?」


和「……」

佐「……」


にのも佐織も何も言わない。

ただ黙って翔ちゃんの言葉を聞いていた。


翔「結衣はさ、一人で全部抱えようとする。もうさ、俺ら頼りになんないのかなってぐらい全部背負い込むから…。そんな、ちっさい背中にどれだけそんなに背負える広さがあるって言うの?俺らじゃ役に立たないから?俺らを信じられないから?」


違う。

私は…。


私はただ…



結「…そう…、かもね」




みんなの重荷になるくらいならいっそ…、

嫌われた方が…。


結「ずっとね、タイミング見計らってたの。いつ、出てこっかなぁって。もうさ、私、疲れた!あはは。みんなの世話すんのやだ!普通に生活したいんだ。自分のことだけでも手一杯の私にみんなの世話までなんて無理!だからもうこれ以じょ」

翔「嘘」

私の言葉を遮って翔ちゃんは言った。

結「は、何が?」

笑って。

バレないように。

笑って。


翔「…ふぅん。じゃあさ、」


















翔「なんで泣いてんの?」







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