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赤い恋 ~sho sakurai~

第13章 意地悪



たまらず私は駆け出した。

『バタン!』

自分の部屋に駆け込んでズルズルと扉の前で崩れる。


結「……っ!……ふっ…!」

涙が頬を伝う。


もしかしたら……もしかしたら翔ちゃんは…。


ううん、みんな……私と暮らすのを嫌がってるのかもしれない…。


結「…うぅ……っ」


どうしよう…。怖い…。


私……っ。


ーーーーーーーー


『ガチャ…』


和「……随分こすいマネするんだね」


沙「……はっ……何が?(笑)」


和「…………言っとくけど……翔ちゃんはあんたみたいな女には惚れないよ…?」


沙「……っるさい…!」




ーーーーーーーー


結「うっ…………」


私が声を殺して泣いていると、

『コンコン』


部屋の扉がノックされた。


結「!…………っはっはい……」


ゴシゴシと涙を拭って立ち上がって扉の方を向く。

『……ガチャ』


結「……にのっ……」


まだ完全に涙が止まらなくて声が震える。

和「……泣いてた…?」


にのは優しく私の顔を覗きこんだ。


結「っ…!これはっ……」


私は必死で涙を拭って誤魔化そうとした。

和「…………何言われた…とかは聞かないけどさ…、結衣は結衣らしくいればいいんですからね…」


にの…………

小さく微笑んで私の頭を撫でてくれた。


結「…………にのっ……。…………」


もしかしたらにのも…………。

和「…………まだ…何か不安ですか…?」

結「…………ふっ…!…………うぅ……」
ただ怖かった。

私は必要とされてない…?


私は……私は……っ…!


結「…………私は……いらない…………?私と暮らすのは…………嫌…………?」


涙で上手く声が出ない。

うん、いらないよって、

必要ないよ って言われたらどうしよう。

そんな不安が頭を駆け巡る。


和「…………いらない……」

…………。

心臓を鷲掴みにされたような感覚だった。

沙良さんの言ってたことは…………。


和「…………って言うと思った…?」


…………え…………?

和「俺は、結衣が必要です。いないと困ります。この家で一緒に暮らさないのなんて今はもう想像出来ないですよ……」


…………にのっ…!


結「…………っ…!ほんと…?」

和「うん、ほんと」


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