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赤い恋 ~sho sakurai~

第30章 報道





私…何やってるんだろう…。


結「……ズ…」

鼻を啜ってゆっくり立ち上がった。

泣いてるだけじゃなにも変わらない。


結「私が……邪魔するわけにはいかない…、」

今、雑誌だけで済んでる以上、それより報道されるようなことになっちゃいけない。


結「……なんだ…、簡単なことじゃない…」


私がみんなの邪魔をすることは許されない。

許されるわけがないんだ。



ー『コンコン』


少し遠慮がちに私の部屋の扉がノックされた。


結「…、」


返事をする気になれなくてゆっくり扉の方を向く。


和「……結衣、俺…。入るよ?」


にのの声が聞こえて『カチャ』、と扉が開かれる。


和「……翔ちゃん、帰ってきたよ」


にのが小さく微笑んで後ろ手で扉を閉めた。


結「、」

私もうっすら微笑み返してコクンと頷いた。


和「……………………、電気…、点ける?」


部屋の壁にある電気のスイッチを指差してにのが聞いた。


ゆっくり首を振って、否を表す。


和「……そ、…………結衣…?」


にのは私に近づいてきて、座るように促した。


和「…、翔ちゃん、気にしてないよ…?結衣は悪くないんだから。翔ちゃん 分かってるから、」

……分かってるの。

にのも、翔ちゃんもそうやって優しく言ってくれることぐらい分かってる。


でもそれじゃ駄目なの。


その優しさに私は甘えちゃいけない。


結「…………にの…、私ね、分かったよ?みんなを守る方法。大丈夫って、笑って言ってあげたいけど、」

私はそこで首を振って、そのあと言葉を繋げた。

結「…、無理みたい、」

ごめんね、無力で。

ごめんね、みんなを傷つけそう。


ごめんね、……………………

















さようなら、





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