背伸び
第2章 もう一人のマネージャー
自分の心臓がうるさい。
壊れちゃいそうな程バクバクしてる……
想いとは反対に自ら一歩、身を引いてしまう。
「セクハラとか言って訴えられち
ゃうな?ハハハ!」
日向先生は笑いながらそう言って私から離れて行く
微かにタバコの匂いがした。
余韻に浸っているのもつかの間…
背中に刺さる様な鋭い視線を感じた。
「たちばなー!早く片付け手伝って?」
声のする先には片付けをする部員の姿があった。
柚希先輩にはバレずに済んだ。
だけど
このままじゃ、いつバレてもおかしくない。
私はマネージャーを続けていけるのか少しだけ不安になっていた。