テキストサイズ

redcross

第10章 闇

みーつけた。


4年とちょっと振りに梓を見掛けた。

大人っぽくなって、化粧も前より断然上手くなっていた。


長かった髪の毛がボブになっていて、可愛いからキレイになっていた。

俺には梓とすぐ分かったけど。

好きだから…。

4年とちょっと前とは違う意味でね。


約4年前は本当に好きだった。


でも手に入らない者に三年も費やし、自分の経歴に傷をつけたのが馬鹿馬鹿しく思えた。

俺が入ってる間、一度も会いに来てくれなかった。

会いに来てほしい。

会いたいって伝えてくれと弁護士にお願いして伝えてもらおうとしたが、番号が変わっていて無理だった。


それでも俺は会いたかった。

あの頃は純粋に会いたくて、顔を見たかった。

他愛もない会話をしたかった。

どうせ入ってる時の面会なんて、警察が横で聞いてるしね。

けど、一年ほど経った時には、会いたいから感情は変わっていた。

何で会いに来ない。


俺は三年も費やすのに…。

俺が入ってる間に男でも作ってるんだろう。

誰でもやらせてるんだろう。

絶対にここから出たら探しだしてやる。

そして、俺が費やした分を返してもらう。

俺が、梓を愛した分も含めてね。

ーーー復讐。

逆恨みって心のどこかで思っていたが許せなかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ