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もう1度好きになってもいいですか?

第2章 最悪の再会

「職員室、やっと着いた」
ガラガラガラ
あたしは職員室のドアを開けた。
「失礼しまーす」
「あのー、転校生の山本杏ですけど…」
すぐにふくよかで人のよさそうなはげたおっさんが出てきた。
「山本さん、お待ちしていましたよ」
「わたしは教頭の森山謙三です」
あーね、やっぱり教頭っていうのはぽっちゃりではげなのね。
「…山本さん、聞いていますか?」
「あっはい、すいません。」
あたしの妙技、“右から左へ受け流す”がついつい出てしまった。ふぅー、危ない危ない。
「で、こちらが山本さんの担任の本間一平先生です」
「よろしくなっ!あんず!」
「よろしくお願いします」
出たよ出たよ、ノーマルな熱血タイプ。会ってそうそう呼び捨てって…。
「じゃあ、あんず!さっそく教室に行くぞ!」
「あっ、はい」
「声が小さい!」
「はいっ‼」

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