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齟齬

第2章 2

「ちょっといいかもを見つけた。


 今夜お見えだ。


 お前も品定めしてくれよ。



 年はいってるが


 かなりの美人だ。」



佐々木武志は

バーボンに浮かんだ氷を

指先で

せわしなくくるりと回す。

武志の中指で

銀の塊をくりぬいた

ぎらぎらの

指輪が

怪しく光を放つ。

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