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齟齬

第3章 3



「羽坂さん、紹介します。

 こいつバーテンダーの

 柏村 悠(かしむら はるか)

 大学生なんっすけど

 バイト馬鹿で。」


ヒールの音がカウンターでとまる。


「こちら、俺のナンバーワン

 羽坂 紗智子(はさか さちこ)さん。

 意中の彼女。」

ダウンライトが

胸に先を照らす。

目尻にかすか

きれいな笑いしわがあった。

武志の営業トークのはじまり。

彼女は笑顔を崩さず

視線は

僕の全身を嘗め回すように

はしらせた。



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