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「お嬢様・・・・・

奥様は、そんなことを武器に

仕事をしてはいません。」




ジョシュのこのときの目は、


本当に本当に、寂しそうで


モモを哀れんでいた。





「夜の世界のお仕事だからって、

お母様をそんな風に思うなんて
間違っています。」



「でもママだって、
”男の人との駆け引きが大事”って
よく言ってるもん！」


モモがそう言うと、
ジョシュは真剣に言う。



「それは、まったく異なった意味です、お嬢様。

ビジネスの世界は悲しいことに、
男性中心で廻っていることがほとんどなのです。

女性、というだけで軽く見られたり
性的な侮辱を受けたりするでしょう。

それを乗り越えるための手段を

”駆け引き”と

奥様はおっしゃっているのです。



だから、お嬢様・・・・・」



ジョシュは、

モモのカラダを引き寄せると
強く、強く、抱きしめてくれた。


「そんな、悲しいこと、
おっしゃらないでください。

そんな冷めた目で、
世界を見ないでください。

大人の愚かな行為に
心を汚さないでください。」