テキストサイズ

赤い花~情欲の檻の中で~

第4章 MemoriesⅢ

 なのに、今、この瞬間、美華子はこのメールを送ってきた女があの夜の女と同じだと妙な確信を持てた。それは動物的な勘とでもいえば良いのかどうか。
 だが、美華子は今回もまた無理に自分に思い込ませようとした。いいえ、こんなくだらないメールを送ってきたのは、どこの誰とも知らぬ女に決まっている。間違っても、自分にも祥吾にも拘わりはない、まったくいわれのない言いがかりをつけてきたにすぎないのだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ