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赤い花~情欲の檻の中で~

第4章 MemoriesⅢ

 美華子はもう一度、紫陽花を見つめてから、ゆっくりと歩き出す。まるでその先に、彼女が見つけ出す応えが待っているのを恐れるかのような緩慢な足取りで。
 先刻より紫陽花が心なしか色を深めたような気がするのは、気のせいだろうか。

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