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赤い花~情欲の檻の中で~

第4章 MemoriesⅢ

「私と婚約の話まで出てるっていうこの時期に、昔の女とデート? 良い度胸してるじゃないの」
 遥香がAKBのメンバーに似ているという可愛らしい顔を歪めて喚いている。 
 美華子は黙って立ち上がった。
「じゃあ、私はこれで失礼するわ。昔の女はさっさと退散しますから、どうぞ、二人でお好きなように」
「まっ、待ってくれ。美華子。俺はお前を」
 追いすがろうとした男の背広をむんずと遥香が掴む。

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