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それでも、私は生きてきた

第48章 母と過ごした一夜

険悪なムードも
少しづつ抜けていきながら、
私の心は落ち着かなかった。


母に対して
微笑みさえも見せてやるもんか。
と、
気を張って居たが
やっぱり…

家族としての、
温もりは、ずっと恋しかった。


シャワー浴びてくる。

コレあるよ!ユリがずっと使ってたシャンプー…


皮膚が弱いのか、
なかなか頭皮や身体に合うシャンプーやボディーソープを探すのは昔から大変だった。

肌に合わないシャンプーを使うと、次の朝には
黒髪に真っ白なフケがモサモサと現れる。

いい香りのシャンプー、新商品のボディーソープ。

学生時代は、
人気商品に目移りするものの、
肌はボロボロ。

ようやく
好みの香りに肌に合う、
見つけたのは、アジエンス。




母が差し出したのも、
コンパクトタイプのアジエンスだった。



借りるわ。ありがと。




悔しながらも、
口角が上がり
明らかに
笑顔の口元で私は、
手を差し出した。



母も
笑顔だった。

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