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それでも、私は生きてきた

第49章 懐かしい場所

食後の温かいお茶。
それが、祖母の家での日課だった。
何年経っても変わらない風景に
自然と笑顔が溢れて来る。


じゃあ、会社行って来るね!ばぁちゃんよろしくね。会社終わったら、一回来るから。


いってらっしゃい。
と、祖母達の前では
娘のユリとして笑顔で見送った。



ユリもお茶飲むか?
叔父の一声。

うん、飲むー!

ユリちゃんの湯呑み、いつもの所さ、あっとぉ


祖母が指差した食器棚。
昔から変わらない古臭い食器棚。
扉を開くと、
ユリちゃん用の湯呑み。と、
祖母が用意してくれた湯呑みが置いてあった。


自然と笑顔が溢れて来る。

高校の時は、
学校帰りにいつもココに帰って来る。

祖母と並んで夕飯を作り、
皆で食卓を囲み、
家族のように
その場に居た私。



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