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それでも、私は生きてきた

第54章 枯れない涙

昨日の母との時間。
今日の叔父と祖母との時間。
そして、拓也との時間。

もう一泊…兄の淳也に会えない事が悔やまれる。

私の中で、
長年、命綱とも言えた拓也への希望がなんだったのか。

わからなかった。

母から言われてるから。

その一つの真実が多大な絶望に塗り替えられていた。

何処かに淳也に対する期待もあった。
淳也だったら…

そもそも、
私は
もう家族の一員では無い。
期待してしまうのは私の勝手な思い込み。
期待をするから、絶望してしまう。

最初から
何もかも
希望を持ってはいけないのかもしれない…。





プツリと糸が切れたような気がした。

ブワッと涙が込み上げる。

暗闇の中、
枕横に置いた携帯を手にする…。


私は。
もう




生きていく希望が途絶えたんだ。

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