
それでも、私は生きてきた
第56章 こんな私でも…
琢磨からの説得を何度も何度も断り続けた。
ごめん。会えない。明日にはまた居ないから…。
琢磨の言葉を見る度に。
琢磨に返事をする度に。
涙が何粒も零れ落ちて行った。
どうして会えないのか。
どうして居続けられないのか。
何も真実のままに答えることは出来なかった。
朝を迎えるまで琢磨とのメールは続き、
朝の日差しが差し込む頃…
琢磨も諦めの悲しみを綴っていた。
わかったよ…でも、梨花にはこの事…伝えるからな…
背中にピタリとくっついていた祖母は起き上がった時、
私は咄嗟に寝たふりをした。
薄目を開けて祖母の姿を追うと、
仏壇に向かって座って居た。
私が生まれる前に。
祖父は病で亡くなっている。
私が知って居るのは、
仏壇の部屋に飾られたモノクロの祖父の写真。
母や祖母からは、
祖父の話を聞いている。
祖母の家に通い始めた高校の頃は、
毎日、
ただいまー!と上がり、
一直線に仏壇に向かい
じぃちゃん、ただいま。
と、お線香をあげていた。
祖母も、
何十年と…毎朝、祖父の仏壇に向かい合って居たことを初めて知った瞬間だった。
ごめん。会えない。明日にはまた居ないから…。
琢磨の言葉を見る度に。
琢磨に返事をする度に。
涙が何粒も零れ落ちて行った。
どうして会えないのか。
どうして居続けられないのか。
何も真実のままに答えることは出来なかった。
朝を迎えるまで琢磨とのメールは続き、
朝の日差しが差し込む頃…
琢磨も諦めの悲しみを綴っていた。
わかったよ…でも、梨花にはこの事…伝えるからな…
背中にピタリとくっついていた祖母は起き上がった時、
私は咄嗟に寝たふりをした。
薄目を開けて祖母の姿を追うと、
仏壇に向かって座って居た。
私が生まれる前に。
祖父は病で亡くなっている。
私が知って居るのは、
仏壇の部屋に飾られたモノクロの祖父の写真。
母や祖母からは、
祖父の話を聞いている。
祖母の家に通い始めた高校の頃は、
毎日、
ただいまー!と上がり、
一直線に仏壇に向かい
じぃちゃん、ただいま。
と、お線香をあげていた。
祖母も、
何十年と…毎朝、祖父の仏壇に向かい合って居たことを初めて知った瞬間だった。
