テキストサイズ

妹えっち!

第20章 別れ話







「待っ…!!
待てっつーの、バカ!!」
「いや、もう決めたから」



 美春は遅刻してきた璃乃を捕まえて人のいない場所で話を聞いた



「考え直せよボケナス!!
お前の行動はおかしいだろ!?」
「うん、お兄ちゃんと結婚する」
「それが異常だっつってんの!!
ガチで言うやつがあるか!!」
「―…うるさいよ」



 およそ親友に対して放つ声のトーンではなかった

 低くて威圧的な、目を鋭くした璃乃の姿があった

 美春が怒りを萎えさせ畏縮して黙るのも無理なかった



「か、彼氏はどうすんのさ…」



 かろうじて美春が言えたのはそれだけであった



「……だって、泣くから」
「は?誰が?兄が?」
「こんな貧相なガキの身体で
中身だって可愛くない性格だし
ちょっと顔がいいだけの私の―」

(ちょっとじゃねえだろ)

「―貞操ひとつで傷ついて
泣いてくれるんだよ?
いないよそんな人
愛されるって思った
好きだな~~って思った
そこまで深く想われて
男が涙を見せてくれるなんて
女としてこれ以上の幸せはないよ」



 こないだの迷いはどこへやら、璃乃の確固たる姿は高貴なお姫様の如く凛としていて隙がない

 自分で言って自分で赤くなっている璃乃を見て我を忘れて可愛いと思う美春も大概だった

 が、それどころではない



ストーリーメニュー

TOPTOPへ