
抱かれる日々
第14章 鬼畜
腕を振り上げおろした瞬間に右耳たぶに激痛が走った
「おお、綺麗に裂けたな
安心しなさい、数日経てば塞がる」
「はい..」
ポタポタと赤い水滴が落ちる音が止まない
神経など何もかも我慢すればいい
「次は~...その綺麗な小指でも切り落とそうかねぇ」
断ってはならない
我慢しなければならない
感情など出してはいけない
「どうぞお気が済むまで」
一瞬ほそく微笑み大きな包丁を取り出してきた
本気でやるんだ
「どうした?手が震えているぞ」
怖いなんて考えるな
一瞬で終わる
「動じません」
ザくッと今までに聞いた事のない音が聞こえた
左手の激痛と震えが止まらない
「うぅ...」
声なんて出してはいけない
「そんな唇を噛むな。血出ているぞ」
左手の小指が...ない
