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夏の秘密

第32章 女子会



海「じゃあね、夏」

夏「話せて良かった、ありがとね」

海「私も、もし何かあったら連絡してね
すぐ飛んでくから」

夏「ありがとう」


海と話せて
少し気が楽になった夏
この調子で帰省している間に自分の中で
何かしらの答えが見いだせれば
いいのだが…





夏「…おじゃまします」


その夜
夏は久しぶりに晴の部屋に入った
小さい頃はよく一緒に遊んだり勉強した
りしていたが
自分の
晴への気持ちに気づいてからは意識的に
晴を避けていた夏

だからこうして晴の部屋に入るのは
久しぶりだった


夏「…お兄ちゃんの匂い」


布団に顔を埋め
その匂いを思い切り吸い込んだ
時間の経過、洗濯と共に晴の匂いは薄れ
ていたが
それでもシーツや枕からは微かに
晴の匂いがしていた


夏「…」


目を閉じれば
今でも鮮明に思い出す
あの日の事、二人だけの秘密の夜
唇の感触も触れ合った肌の感触、体温も
そして
大好きな人と繋がった時の痛みも喜びも
悲しみも辛さも全部覚えていた
今でも全部…


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