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好きな人がいた

第9章 社会人五年目

こんなご時世にはなってしまったけれど、私はなんとか転職に成功し、今度こそきちんとした職場でそれなりに普通に働けている。
相変わらずデブで不細工で彼氏はできないけど、もうそれは自分のせいだと認める。
彼と話した月日はもはやほとんど思い出せない。日々死にたいほどつらかったはずなのに何故だか素敵な思い出にすら思えるから不思議だ。
私はきっとこの後も死ぬまで高校のあの頃の彼を心に住まわせ続けるだろうけど、それは今を生きている彼とはなんの関係もない話だ。

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