貧乳ヒメと書かない作家
第19章 ホントの気持ち
「しっかし、よくたべるなー」
一足お先に夕食を食べ終えた桐生は、冷たいお茶をすすっていた。
サラダにクリームスパゲッティ、フランスパン2切れとカキフライ3つ、ヴィシソワーズそれにデザートとしてチーズケーキとプリン…。
「おいしかった!ごちそうさま!」
「太るぞ?」
「大丈夫!太んない体質なの」
もしかして、今までちゃんとご飯食べれてなかったのかも。自分のせいで…。
桐生は勝手にそう思って罪悪感を感じていた。
「じゃあ…あたし、明日早いからお風呂入って来ちゃうね」
「んーそっか。風呂はそっちな」
って、言わなくてもわかるか。
前如月が来た時にみたから…
桐生はさらに罪悪感を感じてしまった。
千春の泣き顔が再び思い出された。
千春があんなに悲しそうな顔するなんて。
もうあんな顔は見たくない。
「千春!」
行きかけた千春を呼び止め、後ろから千春を抱き締めた。
「きゃあっ!どうしたの?」
「ごめん…俺、千春のことすごく傷つけてた。
初め会った時だって、
何もわかんない千春を抱いたりして…。
俺さ、最近ずっと考えてたんだ。
彼女ができたら、体だけの関係にならないように、ちゃんと真正面からそいつの事みれるような彼氏になりたいって。
相手が誰でもいいような男には絶対なりたくない。
俺は千春じゃないと、
千春以外じゃだめだから。
軽い気持ちでもう抱いたりしない。絶対」
「桐生先生…」
たくさん
たくさん
あたしのこと考えてくれてたんだ。
必然、執筆も進まないわけだ。
きっと今日のことだって、何かかえたいっていう一心からだったんだろうな。