テキストサイズ

迷路…俺の場合 (Ver.N)BL表現有

第4章 湖


「マシロ・・・これ・・」









マシロは


その濡れた写真を

取り出し

乾燥するための

目の前のクリップに

止めると






「はい・・・」




そう返事をした




「はいって・・お前・・」





マシロは
俺の前に
立ったまま

顔だけを後ろに向けて


俺を見上げた





「真似して

すみません




でも




これが









一番好きなんです」








トクンッ






見たことのない

マシロの瞳だった





クールでもなく

媚びてる訳でもなく

笑っている訳でもなく





少し

恥ずかしそうな



そんな

瞳。






思わず

身を乗り出したせいで



マシロの背中に

俺のカラダが
触れてしまうほど


近くて・・・




それなのに




いつかのように
また
マシロは
不用意に振り向き



俺を見上げる








近い



近いよマシロ











だから

俺の心臓が

急に脈うったのか






それとも








マシロが

アングルを

真似していることに

驚いて



脈打ったのか







それは



わからなかった


ストーリーメニュー

TOPTOPへ