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タイトルはまだ未定

第6章 離ればなれ

「で、何があったのー?」

「え?」

「すっげ、不安そうな顔してる。」

そ、そんな顔に出てるかな!?

「な、なにもないよ!?」

嘘。

「嘘つききらい。」

「本当だって!」

「じゃ、なんでないてんの?」

「泣いてなんか…あ……」

頬を伝うひとしずく。
もうこんなやり取りできないのかなって思ったら
涙が出てきた。

「お嬢様。」

言葉をほとんど発していなかった氷室さんが口を開く。

「あ、あのね、明日、母親が迎えにくるみたいなの!!だから、今日でお別れなんだなー!い、今まで迷惑かけてごめんね?もう、迷惑かけないから、ごめんね?」

「んだよそれ、本当迷惑。」

ズキン

「や、やっぱりそうだよね、ご、ごめん…」

「ちげーよ、そういうことじゃなくて。」

ぎゅっ

「お嬢様、貴方がいなくなられることが迷惑なのですよ。」

「ひ、氷室!離れろ!いいとこ取りすんな!」

「失礼しました。」

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