
パパとママのタカラモノ。
第2章 妊娠発覚。
暫く沈黙が続いたあと
おばちゃんが口を開いた。
「住む場所は決まってるの?」
智也「いや、まだ。」
「智也の給料だけじゃ、無理でしょ。」
智也「まー何とかなるんじゃね?」
そう言って
大あくびをしている智ちゃんを見て
今後に不安を感じたのは言うまでもない。
「何とかなる訳ないじゃない。」
奈央「そうだよ、ちゃんと考えて。」
智也「何とかなるって。ま、早めにアパート借りるか‥。」
「なら、ここに住めば良いじゃない。奈央ちゃんさえ良ければ。」
奈央「えっ?」
「家賃もタダだし、食費もいらないよ。奈央ちゃんが身重な状態で、2人だけで暮らしていけるわけないでしょう。」
智也「なら頼むわ。」
あっけらかんと
智ちゃんは言い放った。
「それなら智也、今から奈央ちゃん家に行ってきなさい。」
智也「は?今から!?」
時計の針は17時を指している。
「スーツ着ていきなさいよ。」
智也「スーツ!?」
奈央「一発殴られる覚悟でね‥。」
「あちらのご両親に、誠意を見せなさい。ちゃんと謝りなさいよ。」
智也「はぁ~‥胃が痛くなってきた‥。」
智ちゃんはブツブツ言いながらも
スーツを探し始めた。
