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あのね

第1章 芽吹き

おかあさん


ぼくを知った日のことをおぼえてえる?

戸惑ったよね。

不安になったよね。

そして

ぼくを受け入れてくれた。

一瞬の心のうつろいを

ぼくはよくおぼえているよ。

つわりのつらさの中で

ぼくに思いをむけて

自らを励ましたことを。

ぼくをうとましく思い

もういらないとつぶやいたことを

ぼくの重さに耐えかねて

自分を情けないと責めたことを


ぼくはよーくおぼえているよ。

おかあさん

ぼくとおかあさんはひとつなんだ。




あなたの思いは

ぼくの思い。

ぼくとひとつだよ。



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