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この手を離さないで

第9章 第九章 幼なじみ

陽side


~今から20年前~


俺が小学校2年生の頃、隣ん家の空き家に尚人が引っ越して来た。


初めて会った時は女の子だと思った。

サラサラの茶色がかった長めの髪の毛にくりっとした大きな目

同じクラスの女子なんかよりも可愛かった。


まぁ、一緒に風呂入った時に男の子だって知ってかなりショックを受けたけど(笑)


尚人は俺よりも一つ年下で、親が共働きのせいか、俺ん家で預かることが多かった。


ちなみに俺ん家はお茶屋。
母さんは毎日着物を着て、お客にお茶の作法なんかを教えている。

親父は病院の院長で、柚希が入院してる病院も俺の親父がやっている。


まぁ、簡単に言うとボンボンだ。

家の事情と俺の性格が歪んでいたせいか、ほとんど友達なんかいなかった。



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