優しくしないで
第11章 何もできない…一日
「剣君の言う通り…
太一君は…
何でも出来る…不器用な奴…だった
剣君には…ちゃんと親友として、太一君を責める、注意する、忠告する…って言う役割を任せていたんだ…
太一君の心のバランスを保つために…」
そう…きっと…
仁さんの言うことは正しい…
太一は…私との関係を…
誰かに、止めてほしかったに違いない…
剣は…少なからず…
注意や警告をしていたに違いない…
「……だと…いいんですが…」
少し…落ち着いた…剣は…
留美…
ごめん…
気付かなくて…と、謝った…
私は…ズキンと…
心が…痛くなった
私は…もう一つ…
太一に
残酷な…
…お願いをしていたから
仁さんを見ると…
首を横に振った…
言わなくて…いいって…
罪悪感が残ったが…
剣には…言えなかった…