ダーリンは12歳年下〜遠恋の果てに〜
第3章 2000年:電話線の出会い
しばらくしてあたしは、知人から譲り受けたパソコンでチャットをするようになった。
他のメンバーもPCを使う人が増えていきゆうタンもその一人だ。
『電話線ってすごい!!!』
ことあるごとに、チャットでゆうタンは叫んでた。
こんな電話線一本で全国の人達と出会えて文字で会話できるなんて、当時は画期的だった。
この電話線のおかげで、ゆうタンと出会うことが出来たなんて。
モジュラージャックに繋がれた電話線が、あたしには運命の赤い糸に見えてしかたなかったよ。
そしてチャットしながら携帯に電話したりも始めた。
でもあたしはその時まだ携帯は持ってなかった。
世間ではちょうど1人1台携帯を持つ時代になりつつある頃だったけど、あたしは会社も辞めたしということで、それまで持っていたPHSも解約して家電1本で踏ん張っていた(笑)
まだ普通にモジュラージャックを使い電話回線でネットに繋げてた時代。
電話するときは一旦ネットの回線を切って、そしてチャットに戻る時にまた回線繋いでと、ホントめんどくさい。
それなら携帯を持てば?という感じだけど、そんな事をしようもんならまた殴られる。
どんなにチャットが楽しくても辛い日常に引き戻される一瞬だった。