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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~

「私も琉球の風が好きです。子どもの頃から、海の香りを運んできてくれるこの風が大好きでした」
 王が心底嬉しげに微笑んだ。
「記憶を失っていても、そなたは以前と同じことを言うのだな」
「私がそのようなことを?」
「ああ、いつも私に言っていたよ。この美しい国に生まれて幸せだ、自分を育んでくれた琉球の風が大好きだと話していた」
「―」

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