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ロイヤル&スレイヴ!

第4章 3.ウワサのあのコとあの4人



猛くん、でもね。


猛くんが私を責めるなって言ってくれるように、

私だって、皆に自分の事責めてほしくないんだよ?


「だ、だって……。それを言うなら、助けに来てくれた皆だってちっとも悪くないもの」


これも、思ったままの素直な気持ち。


「お前は――……ったく」


まだ何かを言いたげな猛くんだったけど、やがて一拍置いたのち、やれやれ、と言いたげな表情になると口元を緩ませた。


少しは私の気持ち伝わったのかな。

猛くんの眉間の皺がほんのちょっとだけ和らいだ気がした。


「ありがとな、そんな風に言ってくれて」

でも、と語感を強める猛くんと滝くん。

二人とも同時だった。

振り返った滝くんが猛くんと目を合わせて苦笑する。

それから、アイコンタクトをとった滝くんが口を開いた。


「みーゆ。残念ながら俺と猛はさ、ちょっと悪いの。
俺たち二人が傍にいることで、未結を目立たせちゃったのは確かなんだ。
だから、俺達には未結を守る責任があった。キングやジョーカーとして」


そう言って、滝くんが目を細める。


何回も耳にした、未だに何を指すかはわからないキングとジョーカー。


でも、そんなこと今は気にならなかった。


おどけた口調だけど、きっと、滝くんは自分を責め続けてる。


そう思うと、やりきれなくて。

なのに、
私の頭を撫でる滝くんの手があんまりにもあったかくて、
優しいから。


私はこれ以上何も言えなくなったんだ。

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