テキストサイズ

ロイヤル&スレイヴ!

第4章 3.ウワサのあのコとあの4人


「クイーン、ってさっき恭介くんが…それに東堂くん達もいってた……」

クイーンになりたいのか、と東堂くんに尋ねられた時の状況が、脳裏を掠める。

その時に感じた恐怖や思い出したくない感触までが足元からぞわりぞわりと這い上がってくる気がして、

私は思わず自分の指をぎゅっと握りしめた。


だいじょぶ、だいじょぶ。

自分にそう言い聞かせ、私は俯きかけた視線を恭介くんの方へ戻す。

恭介くんは労る様に私を優しく見つめてくれた。


「はい。『クイーン』に選ばれた女子生徒はロイヤルトップと同等の権威を得ます。
女性不遇のこの学園に在籍する女子生徒にとって『クイーン』はまさに憧れの存在ともいえますね」

「そう、なんだ……」


滝くん達に並ぶ存在、それがクイーン。

滝くんや猛くんと日ごろから行動を共にしている女子生徒が傍にいたら、
クイーンの座を狙っているのでは、そう推測するのも無理はないのかもしれない。

なぜ東堂くん達が私に対して強引な手に出たのかは、考えても仕方のない……っていうか、あまり考えたくない事案なんだけれど。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ