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ロイヤル&スレイヴ!

第4章 3.ウワサのあのコとあの4人


叫び声に近い悲鳴は男の子のもので、あまりに鬼気迫っていたから、私は慌ててベッドのあるカーテンから飛び出した。

「すみません、今日は先生いらっしゃらなくて」

飛び出した先、男の子と目があう。

身長は私と同じくらい。

制服のシャツの上に明るい黄色のパーカーを羽織った男の子はネクタイの色から察するに1年生。

ピンクゴールドの髪がふわふわと揺れて、長めの髪も手伝ってぱっと見は女の子のようだった。

「つっくん先生いないの!?どうしよう!」

そういった男の子は今にも泣きそうで、大きな瞳は涙が溢れるのを必死にこらえていて。

頭の上から足先まで、泥と葉っぱで汚れていてほっぺや腕は擦りむいている。

そして。

擦りむいた腕の中には二匹の猫が抱かれていて、男の子と同じくどろんこまみれになっていた。

「手当手当、手当って何すればいいの、教えて保健委員さん!」

おそらくはカラーコンタクトだと思われる緑の目を潤ませてしどろもどろとなっている男の子。

腕の中の猫たちも心配そうに見上げていた。



よおし、任せて。
私も保健委員の端くれですから。

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