
ロイヤル&スレイヴ!
第4章 3.ウワサのあのコとあの4人
けれど、まって私。
今更気づいたけど、ここ、お金持ち学校だった。
通う生徒のほとんどが御子息ご令嬢のスペシャル階級。
インスタントなんて、失礼だったかも。
「…斎宮さんは、本当に…」
あぁ、ほら!
恭介くんは言葉を失ってしまった。
続く言葉がない。漫画の書き文字にするなら、「シーン」というやつだ。
呆れられてる…?もしかして怒らせちゃったかな。
けれど、私の心配をよそに。
数秒の間のうち、恭介くんは黙っていた反動の如く、声を上げて笑いだした。
それはまさに、こらえきれず思わず溢れたといわんばかりに。
「滝から聞いていた通り、いえ、それ以上だ」
今度は私がきょとんとして立ちつくす。
滝くんってば、ほんとに恭介くんに何を話してるんだろう…?
「すみません、はしたなく笑ったりなんかして。――嬉しいです。斎宮さんのお心遣い、ぜひ頂きます」
ひとしきり笑い終えたのか、落ち着きを取り戻した恭介くん。
目尻にのこった涙を拭うと、スラリと伸びたその指先はラッピング袋へ向かった。
受け取って、もらえたんだ。
