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エンドレス

第1章 平凡な毎日

片倉久美は、29歳の主婦。

10歳離れた夫の転勤で、先月から東京を離れ初めての地方での生活が始まった。
夫を送り出し、一通り家事が終わると友達もまだいないので何もする事が無い。

街中に近い7階建ての賃貸マンションの4階。周りには、高い建物が無いので、窓を全開にできるのが嬉しい。
表では、夏休みに入った子供たちが遊ぶ声がにぎやかだ。

「子供かぁ・・・」
結婚して6年。子供はいない。
仕事優先の夫とは、身体を重ねる事も減ってきた。
最近は、月に一度有るか無いか。
まあ久美にしてみればやや不満程度だった。

もともと男と交わる事が、あまり好きではなかった。
快感が無い訳ではない。結婚前に何人かと関係は持ったが、似たり寄ったり。正直、夫のセックスは男性の中ではまあまあ。誠実な気持ちが可愛らしく、結婚してしまった。

でも、どうしても比べてしまう。
女性に抱かれる、あの柔らかな感覚と身体全体が溶けてしまったかのような絶頂と。

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