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エンドレス

第17章 薫 ー 暗黒の中の光 ー

時は遡る。
・・・今から3年前の3月中旬・・・


春先で朝晩はまだ少し寒いが、昼間はだいぶ暖かくなってきた。

薫は昼からのシフトに入るため店に向かっていた。
繁華街の高級ソープランド・・・薫の職場・・・
駅前から路地に入るとすぐにあるから、朝から抜きにくるお客様がかなり多いお店。

店に入るなりマネージャーから呼ばれた。

「聖愛ちゃん!待ってたよぉ!」

聖愛・・セイラ・・・薫のここでの名前。

「社長さんから、電話来て指名でさぁ・・あっ、社長さんって田中様ね、知ってるでしょ?」

常連の田中様・・週に2日は店に来る、超羽振りの良い初老のお客様。店の常連なのに指名をしない珍しいお客様。
来たときに空いてる娘で済ませていくので、たぶんお店の娘は全員お相手している。
そこそこ人気の薫は数回しかお相手をした事がない。
品の良い紳士。それが薫の印象。

「社長さんが指名するなんて初めてだよ。ちょっと準備してくれる?」

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