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エンドレス

第19章 愛してる

薫が無言でドアを大きく開き、久美を部屋へと促す。

薫は、部屋へ入ると電気を点けた。

玄関を入ると6畳程のダイニング、その奥にフローリングの8畳程の部屋が続いている。
綺麗に片付いた部屋には、ベッドと衣装タンスとテレビがあるだけ。
若い女性の部屋にしては質素な空間。
借金返済を最優先にしていたことがうかがえた。

薫がベッドに背中をもたれて座る。
久美は、部屋の入口に座ると薫に謝罪した。

「・・かおちゃん・・ごめんなさい・・」

「・・どうして謝るの?・・・」

静かな声で薫が続ける。

「・・くみネェは悪くないよ・・あれが今のくみネェの本来の生活だもの・・」

「かおちゃん・・」

「頭では理解してるの・・わかってるの・・だけど・・やっぱり辛いよ・・・」

薫は、そこまでが精一杯で目に溜めていた涙をこぼした。

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