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エンドレス

第10章 満たされたいの

お風呂から上がると、全裸のまま二人でベッドシーツを替えて、整えたベッドに並んで腰掛けた。

久美の方から舌を絡ませて薫の唇を吸う。

唇が重なり、互いの舌が相手の口内で何度も何度も交ざりあう。

柔らかな唇。柔らかな舌。

キスをしているだけで身体の奥底から溢れてくる幸福感と安心感。そして悦楽の快感が身体の隅々にまで浸透していく。

久美は唇を重ねながら、薫をそっとベッドへ押し倒した。

重なりあう身体。男とはまったく異なる肌の弾力、匂い。

指を絡ませあい、しっかりと手を握りあう。

久美は、薫が伸ばした舌を唇で挟み込むと、その舌を引っ張るように口内へ吸い込んだ。


男性とのセックスと薫とのセックスを比べた際に、キスをしている時間の割合、長さが圧倒的に違うと久美は思う。

夫を含め、久美を抱いた男性たちの唇は、まだキスしていて欲しいのに、異性の身体が早く欲しいのか、身体への愛撫に移っていってしまう。
薫の唇は違う。かなりの時間、唇を合わせてくれる。
愛し合う行為のもっとも基本的動作の、唇同士を合わせる行為を丁寧に長く行ってくれる。

だから薫とのセックスではいつも、身体を溶かされてしまう感覚に包まれるのだと、久美は思う。

現に、まだキスしかしていないのに、既に下のお口からは甘い蜜を大量に溢れさせていた。
身体も心も満たされていくのを感じながら、久美はまた薫の唇に激しく吸い付いた。


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