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エンドレス

第3章 運命の前日

ケーキ屋の一番奥の席に、薫と向かい合って座っていた。

聞きたい事や、話たい事が有りすぎて、何から話せば良いのかわからなかった。

でも、やっぱり一番に聞きたいのは、あの日の事。
約束していたのに現れず、そのまま私の前から居なくなった本当の理由・・・

お父さんが経営していた工場が倒産したのは、後から知ったけど、連絡もつかなくなったのはどうして?
短大も辞めて、行方不明、音信不通・・・

あの日から1年位は落ち込んで、休みの度に探したりしていたのよ・・・

「くみネェ、元気だった?」

薫が、何もなかったかのように口を開いた。
居なくなった前日と変わらない笑顔だった。

「かおちゃん・・・」

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