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愛の嵐

第44章 翠黛×叙情=戯言

合い鍵は持ってない
正確には受け取らなかった
毎回来る度に
『お帰り♪』
って笑顔でハグして迎えて欲しいから

相「は~い♪今開けるね~」

玄関が開くまでの短い時間が好きだ
直ぐ会える、もう会える
緊張と期待の入り混じったこの時間が堪らなく好き

相「お帰り♪」
二「うん、ただいま」

ドアが閉まる間に雅紀の腕の中に収まる
雅紀の匂いに包まれながらカチャンと鍵を掛ける音を聞いた

相「充電♪」
二「もう充電切れ?」
相「燃費悪いんだ~」
二「あっそぉ」
相「お腹空いたでしょ、ご飯にしようね」

そう言って離れていく
えっ、もう終わり?
名残惜しく思っていたら無意識の内に雅紀の袖を握っていた

相「和也?」
二「あっ・・・その・・」
相「もう少しギュッてする?」
二「しても・・いい」
相「うん、ギュッてさせてね」

袖を握っていた手を繋いで片手で抱き締められる
どうして分かるんだろ?
俺のして欲しい事
グゥゥ~

二「うわっ・・・はずっ」
相「お腹鳴っちゃったね」
二「仕方ないだろ~!」
相「うん、仕方ないね。後でまたギュッてさせてね」
二「気分次第」

ふふっと笑って手を引かれて入って行く
ご飯食べて、お風呂入って、それから・・・
実は頭の中はイチャイチャする事で一杯だ
顔に出ないようにポーカーフェイスを貫いた

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