占いの館【YES∞NO】
第10章 病める時も健やかなる時も
イブはその様子を見つめながら…
水晶を挟むよう、私の正面に座った…
『…お名前を聞いてもいいですか?』
『…野木…
野木 和江(ノギ・カズエ)です…
占いに必要ですか…?』
『…ええ…
和江さん…ご結婚されてますよね?…結婚指輪…してるので…』
私は…左手の薬指に目をやる…
結婚………
『ええ……もう、3年目です…』
結婚……『はぁ…』ため息が出た…
ふわっと香る…お香に
…神経が…ささくれ立つ…
『……アダム…ごめんなさい…
そのお香…苦手だわ……』
「わかった…消すね…」
アダムは…素直に…お香を消してくれた…
『…和江さん…旦那様のお名前聞いていいですか?』
『進…
野木 進(ノギ・ススム)…です。』
イブは…大きく深呼吸をすると…
水晶に手をかざし…
瞳を閉じた――――――…
イブの顔は…綺麗で……
女の私が…見入ってしまった…