
巡り会う恋心
第4章 父親よりも―優人Side―
「櫻井。なんでまだ龍平って呼んでくれないんだよ。なんか高校の延長みたいな気分なんだけど…」
僕がまだ如月くんって呼んでるのが気にいらないみたいだ。
「だって…急には無理だよ…」
「急にって言ったって……もう一年だぞ?そろそろ呼んで欲しいな~……俺も名前で呼びたいし…」
同窓会で再会して一年…毎日のように遊びに来るようになり、翔大にも勉強を教えてくれて成績も上がってきた。
彼はお互い名前で呼びたいようだが、僕はまだ出来ない。翔大がすぐに彼を名前で呼んだ時はなんだかわからない感情が胸を渦巻いて戸惑ってしまった。
あれは嫉妬だ。僕は自分の子供に嫉妬したんだ。
それにしても…子供ってなんて素直なんだろう……
すぐに受け入れて仲良くなって……
僕もあんな風に素直になれたらな………
