
刻々と…
第4章 距離
電車の中は奇跡的に座れた
シートの暖房が
冷えた足に心地よくて
思わず目を閉じてウトウトしてしまう
(座れた時の電車は天国だな…)
目を閉じていると
学生の話声が耳にはいる
「この前彼氏とさーデート行ったんだけど
パスタ超美味しいお店に当たってさー
その後…」
(いいなぁ…学生は毎日のように会えて…)
「今度旅行行くのーまだ場所決めてないんだけど、あったかいとこ!あはは」
(あたしも一緒に連れてけ…)
(旅行…卓哉と一回行ったっけ…
気乗りしないのに付き合ってもらって…
ベタに温泉行って…
料理も温泉も卓哉にはイマイチで
次の日は…早めに帰ったんだ…)
ふぅ…
ため息が漏れる
(もう…四年も前なんだなぁ…)
ため息が…深くなる…
