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偶然からの必然

第2章 偶然なんかじゃないよね?

「んっ…」


目を覚ますと、天井が見えた。

首を動かし周りをみると、ここが病室だということがわかった。


「千景!…よかった、目が覚めて…」



声がした方をみると、千歳兄が少し涙目になりながら

安心したような顔をしていた。



「お前、カフェで倒れたんだぞ?」


千歳兄がそう言って、倒れた時のことを思い出す。




「…!!千歳兄、あの人は!あの男の人はどこ!?」



ふと彼の姿が記憶となってよみがえる。


でもやっぱり、顔が思い出せない。








「彼って、千景を助けてくれたやつのことか?あの人ならさっき帰ったぞ?」



「そっか…」



でも、夢ではなかった。


私はそれだけで十分だった。




「もしかして…彼が千景の言っていた男か?」



「うん、多分そうだと思う…」



「そっか…彼ならうちのカフェによく来るお客さんだ。きっとまた、会えるだろ。」


そう言って千歳兄は、私の頭をそっと撫でてくれた。





そんな中私はまた彼に会えるかと思うと、

彼が愛しくて仕方がなかった。





早く会いたいなー。

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