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第4章 介抱
「っん……。」
優しく触れるキスから
クチュリと口内で
舌が絡み合う。
先輩の舌は私の舌を
包み込み吸い上げた。
蕩けるような感覚は
思考回路を麻痺させる。
離れた後も薄暗い中
銀色の糸が先輩と繋がっていた。
その場で呆然としていると
「そんなに驚かなくても。今日はここまで続きはまた今度ね〜」
私の顔を見て
塁先輩はクスクス笑う。
「だって…いっ、いきなり塁先輩がっ!」
私の声…震えてる…
緊張してたから?
それとも嬉しいから?
ぁあーー!もぅ!
こんな時に…
「あのね〜俺が二回も介抱してあげて心美に何にもしてないと思う?」
「えっ!?塁先輩?……それって?」
「寝言で塁先輩〜って言われて俺だって黙ってられないって」
「なっ!何したんですかっ!?酔ってたのに〜!ヒドイですよ。」
「2回目……。」
「先輩??今、何て言ったんですか?」
ボソッと小さく呟いた
先輩の言葉は聴き取れなかった。
「教えて欲しいの?どうしようかなぁ。まずは俺の事、もう先輩って呼ばないで塁って呼ばないとね〜。」
「…るっ、塁……なっ、何したの?」
言い辛いよ〜!
恥ずかしいし…
先輩の綺麗な茶色の瞳が
弓なりに曲がった。
「ん〜やっぱり内緒にしとく。」
え''ぇええーーー!
恥ずかしいの我慢したのに〜!
塁先輩ってもしかして……
イジワルなの??
こうしてこの日から
私にとって大切な人ができた。
end
