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今を生きる術

第1章 退屈な日々

『人の大半は皆、自分の生きたいように生き、不幸が降りかかると境遇のせいにする。』

「退屈だな。なにか面白いことねえかな。」
部屋にだらしない言葉響き渡る。彼は子供の頃から成績優秀で難なく大学まで進学し卒業してから3年目だ。このご時世であるからか就職が決まらずそのままニートと呼ばれる存在となっていた。最近数が増えつつある有名大学を卒業し、ニートとなる一人であった。
ゲームにどっぷりとはまり、もはや一般のゲームでは満足出来ないほどになっていた彼は、ネットサーフィンで無名のゲームを探すことが日課となっていた。そんな彼がまた新たなゲームのページに目を止めた。
『RESLES』と題うったゲームであったその詳細は、1000人限定の応募形式の無料ゲームであり、時間に猶予のある方のみとされていた。他は特に条件などはなかった。
「限定か。とりあえず応募してみるかな。」人は限定や特別などという言葉に弱い。それはおそらく認められたという感覚に陥りやすいからであろう。別に、誰かに認められたという事実は必要なく、とにかく選ばれたなどという感覚になりたいのであろう。
結果は10日後、郵送となっていた。彼は特に住所が漏洩しても特に不利益を被らないと考え、詐欺でもいいやというつもりで応募したのであった。
10日後に非日常が始まることが待っているとも知らず。

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