
従わない奴隷
第12章 ユウリと今野
部屋に入ると
ユウリはすぐに
お茶を入れてくれた
「あ・・」
「はいっ
ライキさん専用です」
いつも
なんか
ちっちゃい湯呑だったのに
ちょっと大きな
見たことのない
湯呑に
お茶が注がれていた
「俺、専用?」
「はい
気に入ったので・・
買っちゃいました
これで
沢山飲んでもらえます」
と、ユウリは
子供のように
笑った
「すげ~
ありがとな
ユウリ」
「はい」
うれしそうに
ユウリは
いつもの場所に座って
クッションを抱きしめた
めちゃくちゃ
うれしかった
俺
専用
俺が買ったわけじゃ
ねぇけど
俺のものが
ユウリの部屋に
必ずあるってことが
なんだか
無性にうれしい
けど
デカい湯呑は
なかなか
お茶が冷めなくて
猫舌の俺には
不向きで
そんなに
好きでもないお茶を
沢山飲まなきゃ
いけないってことで
(苦笑)
微妙な
喜びだった(笑)
