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僕は絵しか描けない

第7章 僕の失恋

奇異な行動をする僕を行き交う人が驚いて遠巻きに見ながら通りすぎていく。

いつの間にか雨が振りだしてきた。

こんなときに雨が降るとか、僕は本当に絵に描いたような雑魚キャラだ。

いや、雑魚なんてもんじゃない。
モブキャラだ。

誰の人生の中でも主要人物になり得ない、モブキャラだ。

いてもいなくても誰も気付きやしないモブキャラだ。

雨に打たれたまま駅前のベンチに座っていた。

このまま雨が降り続き、世界中が水浸しになって、大洪水が起きて、人類が絶滅したらいいのに……

隕石でもいい。

とにかく人類が絶滅したらいいのに……

いや、僕一人が死ねばいいことか……

止まない雨を降らす空を見上げて笑った。

しかしその量はどう頑張っても大洪水で人類が絶滅するには足りそうもなかった。

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