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　そういえば、智則はいつも透明感のある優しい香りの香水を付けている。
　いつもは移り香も気をつけていたけど、今回は色々な意味で、すっかり忘れていた・・・。
「なんで、何も言わないの？」
　返答に詰まった俺に、司は詰め寄ってくる。
「匂いが移るくらい、近くにいたんでしょ」
　潤んだ目で言われて、嫉妬されていることに気がつく。
「椎葉さんが付けていた香りがなんで、葉月から匂うの？」
　智則が付けていた香水だってのも気がついているのか。
「ねぇ。なんで、何も言ってくれないの？」
　あれだけ、理由を言って欲しいと言ったくせに。
　拗ねた目が可愛い。
　誤解？を解かないと思いつつ、嫉妬されていることが嬉しくて、つい反応が遅くなってしまった。
「神田のいうように、やましいことをしてきたの？」