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【裏小説】イケメン王宮~プリンセスと危険なイケメン達~

第5章 レオ篇

「跡…ついちゃったね」

夜伽を終えた後、
執務室の横にある仮眠室に移動した二人は
ベッドに横たわり言葉を交わしていた。

後ろから月花を抱き締め横たわるレオの指が
月花のうなじについたキスマークを指でそっとなぞる。

「これはジルに怒られちゃうな」

『え?』

レオの言葉を不思議に思った月花が
身体をよじりレオへと視線を向ける。

「プリンセスは誰のものでもないからね。プリンセスに跡を残せるのは…プリンセスが選んだ相手だけだよ」

そう言ってレオが月花の額に優しく口付けた。

『知らなかった……』

「うん」

頷くレオが月花を引き寄せ自身の胸元に抱き込む。

『ん…っ苦しいよ…レオ』

「さっきは…あんな風に抱いてごめん…。俺の事、嫌いになった…?」

いつもの声音と違う真面目な声で
レオが聞いてくる。

『……嫌いになるわけないよ。でも…どうしてあんな風に…触れたの?』

月花は夜伽中にずっと感じていた疑問を
レオにぶつけてみた。

なぜ夜伽の場所が執務室だったのか。

なぜ人が来ても行為を続けたのか。


「……」

月花の質問を真剣な面持ちで聞いていたレオが
少し苦しそうに微笑むとゆっくりと口を開いた。

「月花チャンに素直に快楽を受け止めて欲しかったってのもあるけど…本当は自分の為だったのかも知れない」

『どういう意味…?』

「普通に夜伽したら他の貴族と変わらないでしょ?月花チャンの心に残るような夜伽をしたかったのかも」

『レオ…』

「本当に…ごめん」

低く掠れた声で謝るレオの言葉は
自身の行いを少し後悔しているような
そんな声音だった。

(レオは少しだけ…不器用なのかもしれない…)

月花はレオを見上げると口元を和らげる。

『ねぇ…?レオ』

「ん…?」

『私も一緒にジルに謝ってあげるからね』

「え…」

目を瞬かせるレオに
月花は目一杯の微笑みで答えてみせた。

月花の言葉の意味が
キスマークの事だと気付くと
レオが顔をほんのり赤らめ
ふっと吹き出すように笑う。


「本当に…ばかだな、月花チャンは…」





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