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強制恋愛

第12章 *12*涙



……………………………………


廊下を歩いていると、みんなからの視線を感じる


…当たり前か…誰がどう見ても泣き腫らした顔しているから



『沙紀…!』


後ろから肩を掴まれて振り返ると奈美がいた


「奈美……」


『どこ行ってたの⁈ 心配したんだから…!!」


「ごめん…」


俯く私の頭を奈美は優しく撫でてくれた


『…櫻木先輩と…別れるの?』


小声でボソッと投げかけられた質問にわたしは極力の作り笑顔で


「別れるもなにも付き合ってないから…先輩はわたしのことなんか好きじゃないんだもん…」


…と答えた


自分では笑っているつもりだったのに


頬は後から後から溢れる涙で濡れた



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